とある外科医の独り言

病院に勤める外科医が病院での出来事や日常考えていることなどを綴ります

現役生活

今日も特に変わった事はありませんでした。いつも通りです。ただ、先週当直明けで手術した患者さんの立ち上がりがイマイチで、最悪の状況は脱したと思うのですが、思ったようには良くなっていません。

 腹膜炎→敗血症→DIC(播種性血管内凝固症候群)と悪循環に陥ってたんですが、DICは何とか離脱したように思いますが、人工呼吸管理が続いているのと乏尿の状態です。
何とかおしっこが出てくれればいいのですが、1日尿量700mlくらいです。その間に身体じゅうが浮腫(むくみ)になってしまっています。
この水が血管に戻ってくればおしっこ出るんですが。人間は危機的状況になると身体に水を貯めるんです。点滴しても血管から逃げてしまい非機能的なところにため込みます。体に水はあるけど血管内は脱水という事が起きてしまいます。それでおしっこも出せなくなるんです。
何とか良くなってもらいたい。医師であってもすべてを治すことはできない。自分の無力さを感じる瞬間です。辛い事が多い仕事なんです。おそらくその対価なんでしょうね。給料がいいのは。それでも逃げ出したくなることもいっぱいありました。その度に自分を奮い立たせて頑張ってきました。

こう思うのもあと少しなんですね。非常勤になれば責任も軽くなります。でもちょと寂しいような、自分は欲張りというか我儘なんですね。

あと少しの本当の意味での医師現役生活。悔いのないように頑張ります。
それでは。