とある外科医の独り言

病院に勤める外科医が病院での出来事や日常考えていることなどを綴ります

医師のキャラクターについて

今日も特に変わりありませんでした。いつものように手術して、さらに臨時手術もして結構疲れました。

今日は飲み会なので少し早めに書いておきます。

今日は職場の人間模様について書きたいと思います。病院にはたくさんの医師がいます。優秀な先生もいれば、普通の先生、そのどちらでもない先生といろいろです。
出身大学もまちまちですし、専門領域もバラバラです。

仲のいい先生はや自分と同年代で消化器内科の先生ですが、僕がみてもいい男という感じの先生です。仕事はとてもまじめにされていますが、飲み会が大好きで飲み会ではめちゃくちゃはじけています。またそれがとても面白くそのギャップのせいか看護師やコメディカルの人気が高いです。

このような先生がいるかと思えば仕事も適当、看護師をコマ使いのように扱って不評を招いている医師もいます。大体そういう先生はその病院に長くは居られなくなって退職してしまうことが多いです。
資格はあるのでどこででも使ってもらえるのでしょうが、おそらくそこでも同じことをするのでしょうね。

医師の結婚相手で多いのは看護師、医師です。私の妻はそのどちらでもありませんが、奥さんもしくは旦那さんが医師の場合、家庭は大変なのでしょうが経済的には非常に恵まれた環境にあると思います。
立派な自宅や、マンションを所有している事が多いのですが、そういうことを自慢したりすることは少ないと思います。それはやはり周りの医師も一般的には所得が高いのでそれほど自慢にもならないということがあると思います。

ですが勘違い野郎というかかなり変わった方が一般の会社などよりも多い気がします。
そう言っている自分が一番そうかもしれませんが・・・。

今日は私もはじけてみることにします。

WELQと私

今日もyahooニュースをみていると気になるニュースWELQの話題がありました。
WELQとはDeNAの医療情報サイトですが信頼性の低い情報を大量に生産し発信していたようです。現在はサイトは閉鎖されているようです。

医療に関するドラマ、本、広告などを見ていて明らかに医学の常識とはかけ離れているものがあふれています。

私も専門以外の事は国家試験で勉強したくらいの知識しかありませんが、消化器系の疾患についてはそれなりにわかってるつもりです。

今の時代は情報があふれています。正しい情報を見極めることが非常に重要です。
私のわかる範囲であれば疑問質問にお答えします。ぜひリンクの疑問質問からお尋ね下さい。

 

手術2

今日も手術をしました。比較的高難度の手術でした。今日は私が執刀しました。
術後の経過は良好です。その後はカンファレンスがありやっと今、一息つけました。

今日は昨日の続きで鼠径ヘルニアの手術について書きたいと思います。鼠径ヘルニアは
鼠径部にピンポン玉大や手拳大、場合によってはもっと大きなものが飛び出してくる病気です。鼠径部の違和感や痛みを感じることもあります。
飛び出てくるもの(ヘルニア内容)は大網(胃からぶら下がっている脂肪の膜)や小腸、大腸などです。筋肉の隙間(ヘルニア門)から飛び出てきます。

基本的に手術以外に根治する方法はありません。手術法は前方アプローチと腹腔鏡手術とがあります。
前方アプローチは鼠径部に約5cmの皮膚切開を置きヘルニアを戻します。ただそれだけではまた出てきてしまうのでメッシュをヘルニア門に縫い付け(ヘルニア門にふたをする)手術です。通常1時間程度で終了します。

腹腔鏡手術の場合も基本的にする事は同じですがお腹側から飛び出ているもの(ヘルニア内容)を引き戻しヘルニア門にメッシュを縫い付けます。
こちらも約1時間程度で終了します。

術後の経過はどちらも1週間以内で退院できます。

小児の鼠径ヘルニアも多い疾患ですが大人と原因が異なります。
小児の場合は前方アプローチで行われます。

今日は手術で集中力を使ったので疲れました。家に帰ってビール飲みます。

 

人間とAI(人工知能)

yahooニュースを見ていたらAIが中国のナンバーワン囲碁棋士に勝ったという記事が出ていました。日本でも将棋の名人がAIに負けてますよね。ここまで来るにはプログラマーの方は大変なご苦労をされたのだと思います。

この記事を見て感じた事はこれからAIやロボット技術が進歩すると医療を取り巻く環境も大きく変化するんだろうという事です。

外科の領域では既に手術支援ロボットが導入され始めています。1億円以上するらしいですが、国内に200台以上稼働しているようです。

人間には困難な作業、米粒に文字を書くような事がロボットにはできてしまいます。
この技術を手術に応用し、より難度の高い手術が可能になると期待されています。

ただ現状では熟練した外科医よりも優れているとは言えないようで泌尿器科の手術等、限られた領域でしか使われていないようです。

10年後もしくは20年後さらに技術が進歩すると医師という職業はなくなっているのかもしれないと思います。10年後であればまだ現役、20年後ならちょうど定年を迎える頃です。

その時、私には何ができるのでしょうか?

外科の熟練した医師のように人間の優位性を保つことができるのでしょうか?

いろいろと考えさせられるニュースでした。

手術

今日も特に変わった事はありませんでした。いつものように手術して病棟を回診。
担当患者さんの指示をだしてカルテを記載。

最近はある程度の規模の病院では、電子カルテが導入されています。なのでPC上に
カルテを記録します。また注射や検査、処方などもできるようになっています。

これのおかげで私たちの時間が節約できます。便利な時代になったものです。

今日は手術について書いてみようと思います。
皆さんは手術って聞くとどんなイメージを持たれますか?

怖いとか思いますか?まさかうれしいって人はませんよね?

私たち外科医の仕事は手術する事です。(全仕事量のかなりのウエートを占めます)
なので怖いとかそういう感覚はありません。
外科医になった頃は早く手術を一人前にできる外科医になりたいと思っていました。

でも最初は小さな手術(簡単な手術)しかさせてもらえず早く大きな手術をしたいと思っていました。

今では後輩の指導をする立場になりました。

 

外科医(一般外科、消化器外科)が最初にする手術はおそらく盲腸(正確には虫垂炎)か鼠径ヘルニアか胆石の手術だと思います。

今日は虫垂炎の手術について書きます。
急性虫垂炎はムカムカや嘔気から始まり次第に右下腹部が痛くなるのが典型的な症状です。通常、熱を伴います。

虫垂炎の診断には採血、腹部超音波検査、腹部CT検査などを行います。
最近はCT検査で診断する施設が多いと思います。

手術が必要かどうかは大抵は内科の先生から相談があり外科医が診察して決めます。

手術は開腹手術と腹腔鏡手術があります。開腹手術は約5cm程の皮膚切開をおき虫垂を根部で切除します。

腹腔鏡手術は腹腔内を観察する腹腔鏡をお腹の中に挿入しその画像をテレビモニターで見ながら開腹手術と同様に虫垂を切除します。

手術時間はどちらもおおよそ1時間程度です。

どちらの方法でも入院期間は1週間以内が多いと思います。

今日は虫垂炎の手術について書きました。
疑問質問欄をリンクに作りました。なにかあればお気軽にどうぞ。

 

いつもの日常

今日は特に何もなかったです。いつも通り手術して、担当患者さんに手術の説明をして。二日間当直のアルバイトしてたから早く帰って子供に会いたいです。

皆さんは医師は高給取りでいい商売だよなって思いますか?約20年やってきて思うのはもう一度人生をやり直せたら二度と医師にはなりたくないってことです。

確かに給料面では一般的には高給です。でもいつも救急車が耳鳴りのように鳴ってるし、いつも病院で持たされてる携帯電話が鳴るんじゃないかっていう強迫観念みたいなものがついてきます。

休日も呼び出されるかもしれないという思いがいつもあり、心から仕事のことを忘れて休むことはできません。

そんな事くらいと思うかもしれませんが、結構しんどいものです。稼いだお金では測れないものがあると思います。

それでも同時にやりがいもあるのでなんとか頑張っています。

看護師さん、薬剤師さんもその他の医療従事者さんもみんな大変です。医療ってサービスの値段を自分たちで決められないんですよね。診療報酬っていうのは国で決められているので。財政難で医療費削減が至上命題になってるので(財務省厚生労働省)診療報酬はどんどん減るばかりです。これから超高齢化の時代を迎えるというのに医療や、介護にはお金を出さない政策ってどうなんでしょうか?

介護士の離職対策で給料を上げるとか言ってるけど介護報酬がマイナス改定でどうやって介護士の給料が上がるのでしょうか?

いろいろと矛盾を含んでいる世界です。

外科医の独り言

現在、療養型の病院で当直のアルバイト中です。普段は一般の病院で外科医をしています。(専門は消化器外科です)これから私の周りの事や私の思っている事等を気ままに書いていこうと思います。

まずは自己紹介から。40代で、外科医歴20年です。大学を卒業して医師免許取得後、現在までずーっと臨床の現場で働いていました。普通に結婚し子供もいます。

それなりに所得は得ていますが、時々アルバイトして趣味などに使えるお金を稼いでいます。

医療の世界って一般の方にはわからないことがいっぱいあると思うので少しでも皆さんにこの世界の事を知ってもらえればと思います。時には書きずらいことも書いていこうと思います。

何か知りたい事等あればコメントして下さい。