とある外科医の独り言

病院に勤める外科医が病院での出来事や日常考えていることなどを綴ります

今日も当直中です。入院患者さんが意識レベルの低下をきたし対応をいろいろとしていました。はじめは痛み刺激にも全く反応しなかったのですが、先ほど意識が戻りました。良かった。ほっとしました。
当直にアルバイトに来る病院は勝手がわからず、職員との信頼関係も築きづらいので対応が難しいことがありますが、ここの病院は皆さん協力的でありがたいです。何より患者さんの意識が戻って会話可能な状態にまで戻ってくれて本当に良かった。
ご家族に状況が変わった事をお話したのですが、見たこともない医師からの説明を理解してくれてありがたかったです。急変すると病院のせいにする家族さんとかも結構いるんです。
娘さん、涙ながしてるのを見るとやっぱり切なくなりますもんね。何年やってもこれは慣れることはできないんです。回復してくれて本当に良かった。

 

 

今日はまた質問を頂きました。ありがとうございます。

読者(60代会社員)さんからの質問です。

「20年間、外科医キャリアを積重ねてこられた、 ウルトラパパさんに質問です。 女性の外科医は、どのような分野(外科)で 活躍されていますでしょうか? 体力や持久力に秀でていないが、手先の 器用な文化部女子でも、充分にキャリア をステップアップできるようなケースを ご覧になったことはありますか? 10年後でも、ロボットに代ることなく 外科技術が進化するだろうと予測できる 分野は、何でしょうか? 今までのご経験からの考察を、ご教示ください。 初期研修医の親 」

質問者さんの娘さんが研修医という想定で答えてみたいと思います。

1.女性の外科医はどのような分野で活躍しているか?

外科医という括りはかなり幅の広い領域を含んでいます。産婦人科も外科医ですし、皮膚科や眼科、耳鼻科も外科医の括りの中に入ります。外科医は手術する科を専攻する医師の総称です。この中で女性が多いのは皮膚科、眼科だと思います。
正直、消化器外科、心臓血管外科、脳外科等は女性は向かないと思います。全くの個人的意見ですが。男性、女性にはやはり得意な事、不得意な事があると思います。私の周りにも女性の医師は多いですが、女性が苦手なことは判断することだと思います。外科医に求められる最も重要な事は判断し、それに基づいて行動することです。私の周りだけかもしれませんが重要な判断を下すことをためらう女性が多いように感じます。
逆に女性が得意なことは特有の優しさ、あたたかさではないでしょうか?大変だとは思いますが産婦人科は重宝されるんじゃないでしょうか?患者さんは女性ですから。

2.文化部女子でもキャリアアップできるか?
それは当然できると思います。継続さえできればですが。女性は結婚、出産などで一時的に休職しなければならないことがあります。その間のブランクを埋めるのはやはり大変だと思います。結婚、出産を望むのであれば復職した時の事を考えて早く一人立ちできる科を選んだ方がいいのではないでしょうか?

3.10年後も外科技術が進歩する分野は?
これは正直私にもわかりません。私がやっている消化器外科の分野の手術は昔からある手術に創意、工夫を加えて少しずつ改良されていると思いますが、劇的なイノベーションが起こるとは思えません。起こるとすればロボットの技術です。それ以外の領域も同じような状況ではないでしょうか?残念ながらロボットには勝てない時代が来ると思います。

読者(60代会社員)さん

私の個人的な意見です。お気を悪くされたら申し訳ありません。
少しでも参考にして頂ければうれしいです。

皆さんどんどん質問お待ちしています。それではまた。