とある外科医の独り言

病院に勤める外科医が病院での出来事や日常考えていることなどを綴ります

手術室について

今日も特に変わりありませんでした。昨日、手術した患者さんの経過はおおむね良好です。今日は手術室について書いてみたいと思います。手術室の中は手術を受けたことがある方以外は見た事ほとんどないですよね?手術室は患者さんや一般の方が勝手に出入りできない特別な場所なんですよね。

 

手術室の中にいる人

手術室の中にいるのは看護師さん、医師(麻酔科、手術する医師)、あとは看護助手さんなんかがいます。たまに器械メーカーや卸業者さんもいることがあります。このうち麻酔科の医師と看護師はほぼ常駐しています。麻酔科の先生の主な仕事は手術を受ける患者さんに麻酔をかけて、手術中の全身管理を行うことです。ですので手術室が彼らの仕事場です。

看護師さんは手術中に手術器械を出す看護師さんや外回り(手術に使う糸や器械などを器械出し看護師に渡す)の看護師さん、麻酔の補助をする看護師さんなんかがいます。私のように手術する側の医師は手術の時だけ手術室に行き、終わるといなくなります。

 

手術室にある器械

手術室にはいろいろな器械があります。代表的なものを上げます。まずは麻酔器。麻酔中の全身モニター装置(脈拍、血圧、心拍数、酸素飽和度など)、人工呼吸機能などを有しており全身麻酔には必須の器械です。かなり高価なものだと思います。
次に電気メスなどのエネルギーデバイス。どこの領域の手術でも電気メスを使用するのではないでしょうか、それくらい利用頻度の高い器械です。その他にも超音波凝固切開装置などのエネルギーデバイスが各手術室にあります。それ以外にもイメージという整形外科の手術などで使うX線透視機械や、脳外科用の手術顕微鏡などまだまだたくさんの器械でいっぱいです。

 

 

手術室の広さ

手術室の広さはその病院や目的によっても違いますが大きいものでは100m²くらいあります。手術室の隅に部屋の様子を映し出すカメラが装備されていることもあります。実際この画像をリアルタイムで手術を受けられている患者さんの家族に見せている病院もあります。手術室はある意味、密室なのでこういうサービスはもっと求められているように思います。ただ実際手術中に急に出血したりとか、そういうのは見られたくないという医療者側の理由もありそれほど普及していないのかもしれません。

 

まとめ

 

なんとなく手術室の雰囲気がわかってもらえたでしょうか?手術室では毎日手術が行われています。手術に絶対はないので当然リスクを伴います。手術室で行われている事について医療者側はもっと情報提供していかなくてはいけないと思います。

 

 

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