とある外科医の独り言

病院に勤める外科医が病院での出来事や日常考えていることなどを綴ります

手術2

今日も手術をしました。比較的高難度の手術でした。今日は私が執刀しました。
術後の経過は良好です。その後はカンファレンスがありやっと今、一息つけました。

今日は昨日の続きで鼠径ヘルニアの手術について書きたいと思います。鼠径ヘルニアは
鼠径部にピンポン玉大や手拳大、場合によってはもっと大きなものが飛び出してくる病気です。鼠径部の違和感や痛みを感じることもあります。
飛び出てくるもの(ヘルニア内容)は大網(胃からぶら下がっている脂肪の膜)や小腸、大腸などです。筋肉の隙間(ヘルニア門)から飛び出てきます。

基本的に手術以外に根治する方法はありません。手術法は前方アプローチと腹腔鏡手術とがあります。
前方アプローチは鼠径部に約5cmの皮膚切開を置きヘルニアを戻します。ただそれだけではまた出てきてしまうのでメッシュをヘルニア門に縫い付け(ヘルニア門にふたをする)手術です。通常1時間程度で終了します。

腹腔鏡手術の場合も基本的にする事は同じですがお腹側から飛び出ているもの(ヘルニア内容)を引き戻しヘルニア門にメッシュを縫い付けます。
こちらも約1時間程度で終了します。

術後の経過はどちらも1週間以内で退院できます。

小児の鼠径ヘルニアも多い疾患ですが大人と原因が異なります。
小児の場合は前方アプローチで行われます。

今日は手術で集中力を使ったので疲れました。家に帰ってビール飲みます。